和ろうそくの原料・櫨(ハゼ)の話
2019.06.24
和ろうそくの話をしましょう。
和ろうそくは1300年代に作られました。1375年の太平記に「木蝋燭」として記述が載っています。ウルシ科の櫨(ハゼ)という木の実を搾った植物性のWAXを加工してできたものが和ろうそくです。
櫨(ハゼ)という木は、とても強い木で、一度根を張るとほかっておいても生育していきます。結実するにはだいたい7年くらいかかります。
実の収穫は裏、表があり、隔年で豊作、凶作があります。
櫨(ハゼ)の木は実を採ってやらないと、実がほそり、木自体にもあまり良い影響がありません。したがって、実を採ってやることは大切なことです。
その実を砕き、煮て、圧縮機にかけて搾り出します。
抽出した蝋はJAPAN WAXとして世界で流通します。化粧品・医薬品・文房具等が主流です。ろうそく製造には全生産の10%程度しか使われておりません。
世界に誇れる、日本産のWAXです。
その木の成り立ちから、加工されたろうそくに至るまで、循環の中で成り立ちます。
古くからの職は、多くがそんな風に自然の摂理に合った、循環の中でなりたっているということです。
古を考えてみると、現代の環境問題を紐解ける要素がたくさんあるのかもしれませんね。